週に二度の焙煎日。小さな焙煎機と町家の朝のこと
これは feeee.link の紹介用サンプル記事です。実在の店舗・人物の記事ではありません。
うちの豆はすべて、店の奥の小さな焙煎機で週に二度焼いています。焙煎日の朝、店を開ける前に何をしているのか、少しだけ書いてみます。
木曜の朝は、焙煎の煙から始まります
焙煎は週に二度。そのうち一度は木曜で、焙煎日のため木曜は開店が遅れる週があります。ご案内が行き届かずお待たせしてしまった方には、この場を借りてお詫びします。それでも週二度のペースを崩さないのは、焙煎したての豆でお出ししたいからです。朝の町家に生豆のはぜる音と煙が満ちていく時間は、間借りでやっていた頃には持てなかったもので、いまだに少し胸が高鳴ります。焙煎機は小さな一台きり。一度に焼ける量が限られているぶん、一釜ごとに向き合えるのがこの規模のいいところだと思っています。
焙煎日をラベルに書く理由
うちの豆袋には、銘柄と一緒に焙煎日を手書きしています。コーヒー豆は生鮮に近いものだと考えているからです。店頭では100gから量り売り(¥800〜)でお分けしていて、オンラインストアからも同じように焙煎日を明記してお送りしています。「焙煎日が書いてあるので安心」と言っていただけることがあり、手間ですがやめられません。いつ焼いた豆かがわかると、飲みごろの目安も立てやすくなります。ご自宅での保存や淹れ方の疑問があれば、量り売りの際に遠慮なく聞いてください。
目指しているのは、浅煎りの明るい酸
焙煎で大事にしているのは「浅煎りの明るい酸」です。酸っぱさではなく、果実のような明るさ。そこを外さないように、はぜの音と豆の色を見ながら釜から上げるタイミングを決めます。とはいえ浅煎りだけが正解だとは思っていません。酸味が苦手な方のために、飲みやすい中米の豆や深めの焙煎も日々の2〜3種の中に入れるようにしています。焙煎日の夕方、その日焼いた豆を試飲して翌日からの「本日のコーヒー」の並びを決めるのが、一週間でいちばん静かで好きな時間です。
間借り時代には、置けなかった一台
週末だけの間借りカフェだった二年間、焙煎機はずっと持てませんでした。ワゴン一台と保温ポットで土日だけコーヒーを淹れる暮らしの中で、豆を「家でも飲みたい」と言ってくださる方が現れて、それが町家を借りる決め手になりました。自分たちで壁を塗り、床を張り替えて、最後に小さな焙煎機を一台入れた日のことはよく覚えています。焙煎日の朝の煙は、私にとってはその続きです。店にいらした際、奥からかすかに焙煎の香りがしたら、それは木曜の名残かもしれません。

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